アレルギーとは、細菌や微生物が体に侵入したときにこれらに対処する免疫と呼ばれる機能が、なんらかの障害により自分自身に向けられ、組織損傷を引き起こす病態をいいます。これが皮膚に起こるものをアレルギー性皮膚炎と呼びます。
アレルギー反応は、その作用機序の違いによりT・U・V・W型に分類されます。この内、食物アレルギーではT型とW型が、アトピーではT型が関与していると考えられています。
アレルギー性皮膚炎の診断は診断的治療(治療の反応をみて診断すること)および除外診断(疑わしいその他の病気を否定することにより診断すること)により行われます。
@食事療法 A薬 B外用療法 C減感作療法 を組み合わせて治療を行います。
@食事療法
食事にも加水分解フード、アミノ酸フード、新規タンパク質フード、皮膚用補助食品など様々なものがあり、その子に最も適したフードを選択します。
A薬
薬は一般的にアレルギーではプレドニゾロンなどのステロイド剤が用いられます。しかし、ステロイド剤はアレルギーに非常に有用な薬ではありますが、漠然と使い続けると副作用のリスクもあるため、他の抗ヒスタミン剤、免疫抑制剤、インターフェロンなどの薬と組み合わせることでステロイド剤を原料していくことになります。
B外用療法
外用療法とはつまりシャンプーのことです、シャンプーにも多くの種類があるため、その子に最も適したシャンプーを選択します。不適切なシャンプーを使用すると、逆に症状が悪化することもあるので注意が必要です。
C減感作療法
減感作療法は、アレルギーを根治できる可能性のある唯一の方法で6〜8割の子で何らかの症状の改善が見られます。しかし、約9ヶ月という長い通院機関が必要であり、飼い主さんの負担が大きいことが欠点といえるでしょう。費用は、初めの1ヶ月に治療費が集中し、やや高額となりますが、平均すると1ヶ月あたり約1万程のご負担となります。希望される方は、ご相談下さい。
アレルギー性皮膚炎は、基本的に根治できない病気と考えられています(減感作療法は例外)が、治療や環境改善により症状を軽減することはできます。アレルギー性皮膚炎の治療は、どの治療法をとっても一朝一夕で行えるものではないため、飼い主様によく理解していただくことが何より重要です。アレルギー性皮膚炎の治療をご検討の方は一度、ご来院ください。